事例7 各種調査に対する医師とMRの温度差を埋めるには

新医薬品の発売に伴う市販直後調査や既存医薬品の使用成績調査への協力を求められる機会が多くなった。特に面倒なのが全例調査にかかっている医薬品で、慎重な使用と予後の確認が重要なのはわかっているが「調査票を書かない(入力しない)あなたが悪い」と言わんばかりの態度で記入を迫られたことがあり、もう少し気配りと日々の接触を意識してほしいと思う事がある。病棟業務や事務仕事でバタバタしているとつい忘れてしまうので、

臨床医の行動パターンを把握せず頼み込むだけでは印象を悪くするだけではないだろうか?新医薬品を使ってみたいという気持ちをネガティブにさせないMR活動を求めている。

現状

Ap

・同種同効薬で同様の調査が立て続けに入ることがあり、臨床現場において管理しきないことがある(特に長期の調査に関して)

・本社から回収指示が出るとMRが確認に走るが関係構築のできていない“処方医師”に強引にアプローチすることがあり医師側にとってストレスになっている

・MR側・医師側双方の異動で担当が変わってしまうと引継ぎがうまくなされない事がある

・「契約」に対して認識の薄い医師、MRがいること

問題点

・想定される処方医とのコネクションが乏しいケースがあること

・調査目的の説明不足(医師の使ってみたいという気持ちに水を差すものではないこと等)

・自社都合だけで回収作業に動いているようにみられることがある

I課題

・調査対象施設の「適性判断」を依頼段階で綿密におこなうこと

・非協力的な医師に対するアプローチ方法の再考(リマインドの仕方など)

→調査依頼~契約段階で「しぶしぶ受託」という医師が存在することへの対策

改善策

・効能効果面だけの説明ではなく、調査への協力依頼と意義の説明を事前にしっかり行うこと

・調査対象となる処方医師(+担当薬剤師)との関係構築を最優先に行うこと

→直接医師に言えない事でも薬剤師を経由して伝えられることがある

→面談に拘泥せずにメール、案内レター、各種資材等を使って頻回に接触を取ること

今回は基幹病院の内科Drにお話を伺いました。本当は受けたくなかったけれども頼まれたので断れなかった調査が2本同時進行しており調査票回収の依頼に「追われている感」を感じるときがあるそうです。データを集めることによって臨床使用下における安全性や有効性、併用薬などについてデータを先生の治療に役立てることができるという意義をもう少し丁寧にご説明する必要があるのではないかと感じています。PMS活動はMR活動の本分ですので主体的に取り組み、関係構築のための「会話ツール」として有効活用したいですね。

メディカルスキルアップ編集部
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