事例1/上司同行について

接待規制から早一年、以前よりも上司同行の回数が増えてきている印象がある。話すことと言えば「お世話になっています」「○○の御処方お願いいたします」「○○(担当者)の仕事ぶりはいかがでしょうか?」「先日は講演会・研究会へのご出席ありがとうございました」等のお決まり文句ばかりで全然面白くない。 

また、名前を覚えるくらい担当者に同行するならいいが突然現れ、次来た時にはもう交代・・・等何がしたいのかわからないケースが散見され、できれば上司同行で来ないでくれとMRに要望している。

原状

上司同行が増えている理由

・各社MRの育成を課題としていること

・研究会・講演会に伴う事前事後の訪問が増えていること

・特定領域における競合メーカーの増加

問題点抽出

・上司同行による訪問がDrの役に立たないことが多い

・上司同行時の訪問テーマがDrに伝わっていない

・MRとの会話が阻害されてしまっている

・MRを育成する役割を担う上司のレべルが低い

課題

・上司同行時の訪問目的の明確化

・上司同行スキルの向上

・顧客であるDrへの気遣い

改善策

・上司同行の際は必ずアポイントで訪問する

・同行前に必ずMRとブリーフィングを行う

・同行時でもMRが主役だという意識を双方が持つ

・同行訪問による成果を必ず検証する

お話を伺った先生はちょうど上司世代(40代)なので「同世代の話題や

担当者の話せない話(他のエリアの同門Dr情報など)を持ってきてくれるならいいのに」

と私に話してくれました。また、診療で疲れている時でも上司が一緒に来ているからと

しぶしぶ面談に応じる事も多いとのお話を複数のDrから伺っています。

MRにとって「顧客」であるはずのDrに本来不要な気遣いを強いるというのは

迷惑以外の何物でもないでしょう。上司訪問時に担当者単独訪問時以上のメリットが少ない現状は改善の余地が大いにありそうです。

できるMRにとっては当たり前のお話かもしれませんが、私の周囲でDrに対して上司同行時の気配りができているMRは数えるほどです。多くのDrが各社繰り広げる「?」な上司同行に対して疑問を持たな、また数は少なくとも不快に思われているのであれば少しの改善で立派な差別化となりそうです。他社との違いを製品だけではなく同行スタイルで訴求してみてはいかがでしょうか?

メディカルスキルアップ編集部
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