事例2 講演会・研究会について

接待規制の前後から雨後の竹の子ごとく講演会・研究会(以下、講演会等)のお誘いが増えている。併売メーカー2社から同じ薬剤について別々の講演会等に誘われた時は正直、興ざめしてしまった。以前のようにご接待ができないからと「懇親会」をダシに誘いを受けることも多くなり、タクシーチケットと立食バイキングで医者を安く釣ろうとする魂胆が見えると苛立ちを覚えることもある。また、案内のタイミングについてもとにかくチラシを配っておけばよいだろう的なMRが多く、講演会等の詳細を聞こうにも演者について説明できないMRもおり、「当日来てのお楽しみ」状態では行く気が失せてしまう。メーカーサイドは講演会等についてよく考えて企画してほしいものである。

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講演会等が増えている理由

・KOL対策の一環として(演者謝礼・慰労会などで合法的に資金提供・ご接待できる)

・接待規制により各社Drとの関係構築を、情報提供主体の講演会等メインに切り替えたため

・Dr to Dr(プロモーション)の場を設定し、MRによるプロモーションを補完するため

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・開催案内を受ける医師にとって開催趣旨がうまく伝わっていない事があること

・MRとの「付き合い」で参加されているDrも多く、より満足度を高める改善が必要であること

・各社横並びで「講演会案内」をするため飽きられてしまっている感があること

・MRが演者について説明できないなど「やる気」を疑う事例が散見されること

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・何のために、誰を対象として講演会等を開催するのか、企画意図を理解したうえで開催趣旨をMRが自身の言葉で説明できるようにすること

・講演会等を企画・開催することがメーカーの「目的」となっていないか(手段と目的の逆転)

 検証する必要があること

・講演会等の案内業務がDrとの「面談理由」となっている現状の改善

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・講演会等の企画段階での意図の深堀(なぜ、何のために開催するのか?Drにとって参加することでどんなメリットがあるのか?)を行い、その内容を末端のMRにまで共有する。

・出席者集めで苦労する「タクシーチケット+懇親会」のばらまき講演会等を企画する予算があれば、いっそのこと「地域交流会」的な発想のもと、規約に触れない形で医師と地域住民が交流できるイベントを医師会などと共催企画するのはいかがでしょうか? 対患者がポイント。

・講演会等の案内業務はMR業務の本質ではなく、面談理由とするのであれば演者の周辺情報(実績、今どんな研究・診療をされているのか等)や講演内容のサマリーなどの情報提供をMRの口を通して確実に実行する。

お話を伺ったDrは私が新人のころからお世話になっている内科のDrです。地域でトップクラスの来患数を誇るクリニックにつき、今ホットな循環器・糖尿病薬のSOV攻勢にさらされており、その中で感じられた「MR活動の実態」について本音で話していただきました。本質的な問題点として私が思うことは「MR自信の言葉が少ない」ということです。目の前で話をしているのに、MRが発する内容が「本社発のセリフ&キーメッセージ」では得意先Drのマインドシェアを獲るに至らず、かえってガッカリ感を植え付けかねません。金太郎飴型ディテールに+オンした「周辺」情報や、私見も含めたDrをうならせる情報提供が求められています。

メディカルスキルアップ編集部
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