臨床経験上、効能効果・安全性等で大きな差が無い重箱の隅をつつくような“差別化にならない競争”をしている製品のディテールを受ける度にうんざりしている。目の前の患者を何とかしたい一心で治療方針を決め、薬物治療以外のことも考えながら決断をくだすので良い事も悪い事も含め “本当の事”を教えてほしい。
→キレイなデータを並べたパンフレットをみた後に元文献にあたると都合の良いところだけ抜き出しているなという印象をもつものも未だにある。
また、使用が適さない患者=使ってほしくない患者にあたってしまうとその悪い印象が抜けない限り再度進んで処方する確率は低く、新薬でなくても“知らない薬”の場合、どういう状況でどう使うかを具体的に訴求しないと使用イメージがわかないので結局自分が直近で使って感覚が良くわかる薬剤を処方してしまう。
問題点
・臨床上大きな問題にならない点を争点に内向きに叩き合っているケースがある。
→いったい誰(患者?医師?病院経営者?メーカー?)が得をするのか理解に苦しむ
・メリットのみ訴求したディテールはネガティブにとらえられることが多い
→反対にデメリット、非推奨のD.Iができれば信頼性がアップする
・使ってほしい患者像、使ってほしくない患者像の提示が不十分
→社内ロープレで想定する患者像は本当にイメージしやすいのだろうか?
課題
口では患者視点、先生方の立場に立って等と美辞麗句を並べながらも
自社品の採用・増量などにしか関心がないようなディテールが横行している
→誰のために、どういうメリット・デメリットがあるのかを明確に!
I解決策
医師が自社製品のみならず医薬品を“処方”するに至るまでの思考を分析・理解することが必要
→目の前の新患に即医薬品を処方するケースは稀 必ずプロセスがある
コメント
懇意にさせて頂いている外科系Drより伺いました。
薬物治療のメリットを見出せなければそもそも処方しないので
該当薬の使うべきポイント(勘どころでも可)をしっかり理解したうえで
メリットやデメリットを教えてくれるMRは高く評価できるとのことでした。
売りたい!使ってほしい!という自分本位の思いが強く出ると
得てして態度・ディテール内容に表出するものです。
営業職として数字を追う気持ちは忘れてはいけませんが、
得意先に評価されてこそ数字に結びつくという事を忘れないようにしたいですね。